この記事では刑務官を目指している方に対しての情報の提供になります。
採用の種類や内定までの試験の段階のお話をさせて頂きます。また勤務サイクルや実際にどんな働き方をしているのかも記載しております。
皆さんが最も気になると思うお金事情に関しても少し触れておりますので、参考にしてください。
採用の種類
まず刑務官には一般採用と武道採用があります。これは採用後に大きく関わってくるのでしっかり考える必要があります。私は武道採用の方で応募したので、この記事では武道採用の方をメインにお話しさせてもらいます。
武道採用は柔道か剣道をされてきた方が受けることができる選考枠になっています。一般採用と武道採用の違いは主に合格ラインの違いと採用後に武道訓練を強制されるか強制されないかです。
この種類を間違えると後々、かなり後悔することになると思います。
武道採用された方は夜勤以外の日は土日祝を除き必ず参加しなければならないのです。これはかなりキツイと思った方がいいでしょう。
ちなみに一般採用された方に関しては月5回の訓練参加が義務付けられています。
採用試験を受ける前はこれらの違いをよく考慮して検討したほうがいいと思います。
試験に対する絶対的な自信がある方は柔道、剣道をやってきた人でも一般試験を受験することをオススメします。
筆記試験の問題数は40問あります。
私の受けた年の合格ラインは武道採用は13〜14点でした。
筆記試験の内容は
- 文章理解
- 判断推理
- 数的推理
上記3つがメインとなりその他に倫理や化学や社会など数問ありました。
それらとは別に作文の試験と柔道・剣道の試験(試合形式の乱取り)がありました。
昔はコネ入社などもよくあったみたいですが近年ではそのような事はなくなり一次試験(筆記試験)の突破は全員必要になっています。
実際に私も参加した刑務官の一次試験にもかなり強い柔道家が多くいました。しかし筆記試験がダメだったのか二次試験で多くの猛者たちが姿を消していました。
私の場合は運が味方をしてくれたため一次試験を突破することができました。40問あるうち解けた問題は2問でしたが、感が当たり自己採点では14点でした。ギリギリ武道採用の合格ラインを越えられた感じです。こんなことも稀にあるので勉強に自信がなく柔道・剣道をやっている方で、どうしても刑務官になりたい人は武道採用で受けてみるのもありだと思います。
一次試験を突破すればあとは健康診断と面接になります。
面接で聞かれたこと
- 志望動機
- 長所・短所
- 最近関心を持った出来事
- 自己P R
- 趣味
- 目標
- 再犯防止は実際にできると思いますか?
- 柔道・剣道をメインにして仕事はおろそかにしないか
- なんらかの刑務所の説明を受け、それについてどう思いますか?
私が面接官からされた質問をまとめてみました。参考にして頂ければと思います。
以上が武道採用の選考についてのざっくりとしたまとめです。
後の文では入社してからのリアルな感想をお話ししたいと思います。
刑務官の勤務サイクル
主に刑務官には日勤と夜勤(泊)があり、施設の職員には夜勤者と日勤者という役職の人が存在します。
日勤者は主に刑務官の花形といわれる工場担当などの人たちを表します。私のいた施設では入社してから大体7年目くらいから担当を務める人が多かったとおもいます。
おそらく、ほとんどの施設ではこの工場担当といわれる人たちが権力者となっていますので入社した際には気をつけてくださいね。
基本的に日勤者が夜勤をすることはありません。
初めは夜勤者から始まり日勤と夜勤をやることになるので、これらを踏まえて後の記事を読んで頂ければわかりやすいと思います。
日勤は朝7:20〜17:00までの勤務となっております。
夜勤の場合は朝8:30〜翌日8:30までの24時間勤務となります。
武道訓練17:30〜開始(武道採用は特別な事情を除いては必ず出席しなくてはなりません)日勤が終わったあとに訓練があるので体力的にも精神的にもかなりキツイと思います。
そして夜勤が4日に1回あります。その為ここで一つわかることが絶対に最大で2連休までしかなく3連休になることはまずあり得ないということです。
実際の出勤例はこんな感じです。
例1、夜勤(泊)→→明け(非番)→→休み→→休み→→夜勤(泊)→…
例2、夜勤(泊)→→明け(非番)→→休み→→日勤→→夜勤(泊)→…
例3、夜勤(泊)→→明け(非番)→→日勤→→休み→→夜勤(泊)→…
例4、夜勤(泊)→→明け(非番)→→日勤→→日勤→→夜勤(泊)→…
このサイクルをひたすら続けていく感じになります。特に例4なんかはシンドイですね。
また、土日が休みになることは私の働いていた施設では月に1回だけでした。さらに休みは簡単に取られます。振替休として後日返ってきますがすぐにはきません。返ってこないことも全然あります。
そのような感じで実際に休みを取られて私が体験をした勤務サイクルをご紹介します。
例1、日勤→→夜勤(泊)→→明け(非番)→→日勤→→日勤→→夜勤(泊)→→明け(非番)→→日勤→→日勤→→夜勤(泊)→→明け(非番)→→やっと休み
例2、夜勤(泊)→→明け(非番)→→夜勤(泊)→→明け(非番)→→夜勤(泊)→→明け(非番)→→夜勤(泊)→→明け(非番)→→夜勤(泊)→→明け(非番)→→やっと休み
どう思いますか。とんでも無いですよね…
実際はここに訓練が入って来るので当時は本当にきつかったですね。
例1は、私のいた施設では結構な頻度であったと思います。例2に関してはコロナウイルスの関係であったので今後こういったことは滅多にないと思います。
これから刑務官を目指していく方は、簡単に休みが取られてしまうことがよくあるということを頭に入れておくといいと思います。
給与とボーナス
最後にみさなんが1番気になるのはやっぱりお給料ではないでしょうか。
こんなに過酷な勤務体制なのにどれくらいもらってるの?と思っている人もいますよね。
私が働いた期間の2年を目安にまた、大学を卒業した前提で刑務官のお金事情をお伝えして行きたいと思います。
それでは説明していきたいと思います
まず、国家公務員に該当しますので号俸というものが存在します。この号俸というものが上がるにつれ基本給も年々増加していきます。年功序列の世界なので勤務年数が上がるにつれ共に号俸が上がる仕組みとなっています。
基本的には夜勤(泊)の超過勤務手当により稼いでいるようなものになります。世に言う残業というものです。
わかりやすく説明をすれば夜勤というものは日勤の朝まで残業みたいなものです。なので17時から翌日の朝までが超過勤務手当として上乗せされます。
それでは具体的な金額に触れていきたいと思います。
2年目の基本給が206,000円でした。
これに超過勤務手当が6万円〜多くて10万くらいつきます。
さらに地域よって金額は変わりますが地域手当がつきます。私の地域は12,000円くらいでした。
これらを合計すると給与支払総額が30万ほどになり社会保険や住民税を差し引いて手取りでは26万ほど支給されていました。これは多くもらえた月でもあるため、毎月の給与額は大体、22万〜26万円を手取りでもらう感じになります。
ボーナスに関しては、支払われる月は6月と12月になります。
支払給与総額は約470,000円程になり社会保険や所得税などを差し引き380,000円ほどもらっておりました。
上記、給与を合わせると年収は約430万円ほどとなるでしょう。
皆さんはどう思いましたか。多いのか少ないのか。世間一般的に見れば多いかもしれませんが実際の業務内容や職場環境を考えると少ないと言っていた人は多くいました。その点も今後詳しくをお伝えしていければと考えております。
まとめ
これから刑務官を目指している人へのメッセージとしては
- 国家公務員だから安定してる
- 柔道or剣道やってたし他の業界知らないし
- 単純作業で受刑者見てるだけ
- 公務員だし親も喜ぶでしょ
- 刑務所の中、見てみたい
これは私が採用される前の考えでした。
実際に入社して感じたことは、このような安易な気持ちでは入社しない方がいい絶対に。
入る前と入った後では想像とは全くの別世界でしたね。確かに刑務所の中は皆さん興味はあると思いますし、私もみてみたいと思ったのは事実です。しかし実際に中を見てみてもその感動はずっと続くわけではありません。
それでもどうしても刑務官になりたいんだという強い気持ちがあるのであればやってみるのもありだと思います。ただ自分には無理だと思ったのならすぐに辞めることをオススメします。
これは入社してすぐに幹部の人から言われると思います。無理だと思ったらすぐにやめなさいと。
最初は何言ってんだ、まだ入ったばかりですけどって私も思いましたが、今では納得してます。
皆さんが思っている以上にヤバい人がたくさんいます。
最後に1番大切だと思うことは、自分に合っている仕事がどういった職種なのかを調べてみるといいと思います。
最近では自己分析や性格診断などができる便利なツールもありますので1度やってみるのもありですね。
最後までご視聴ありがとうございます。
ぜひ、参考にしてくださいね。
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